革製品のコバを簡単に手に入る物で手軽に自分でメンテナンスする方法
2023・06・10
以前、レザーオイル・ワックスを使ったメンテナンスをご紹介しました。
今回は、コバの毛羽立ちについて、安く簡単に手に入る物でメンテナンスする方法をご紹介したいと思います。
※必ず目立たない所で試し、ご自身の責任で行って下さい!
コバとは
革製品の製作方法や技術は色々ございます。
その中で今回のコバとは、上の写真の革が毛羽だっている所で、革の切断面の事です。
このコバを、何枚か革を重ねていれば綺麗に揃え角を丸くしてツルっとなるまで磨いていきます。もちろん一枚の革の 切断面も磨きます。
※縁を革で巻いているような作りで、色が剥げてきているなどのような場合は今回のメンテナンス方法は使えませんの で、ご自分でよく確認してみて下さい。
アクリルのような溶剤を塗って色付けをし、コバを覆っているような作りもございます。これは今回のメンテナンス方法 にあてはまりませんのでご注意ください!
切断面のコバがあるほとんどの革製品は磨いている物が多いと思います。(デザインとして切りっぱなしもあります)
その中で今回は財布を例に、用意する物や手順をご紹介します。
本来コバを磨く専用の溶剤などが数種類ございます。どの溶剤を使用しているかは、メーカー様や職人様によって違 いますが、目的は同じです。
コバを染めてから磨いている物もございます。
費用をおさえて専用溶剤などを購入しなくても【どなたでもできる】が今回のテーマです。
今回、用意して頂く物はこちらです。
某100均で購入した、洗濯のりと綿の生地です。
綿棒はありましたので、購入していません。何本か用意して下さい。
合計税込220円です。
綿の生地は使いやすい大きさにカットして下さい。私は八等分にしました。
洗濯のりは大量にありますが、キャップ一杯あれば充分です。残りは洗濯に・・・
メンテナンス方法
ここから画像とともにメンテナンス手順をご紹介していきます。
1 > 財布の中身を全部取り出し、財布の形が歪んだりしていれば整えます。
2 > 綿棒に洗濯のりを吸わせ、はみ出ないように一辺だけ塗ります。
◦ポイント : いっきに沢山塗らない。
一辺ずつ分けて磨いていく。
はみ出た部分は直ぐにふき取る。
3 > 洗濯のりがすこし乾くのを待って、コバの表面が少し濡れている状態で、綿生地で磨くような感じで素早く何度も擦 る。
◦ポイント : 綿生地で一回目は洗濯のりを拭き取り、その後コバに摩擦を与えるように素早く何度も擦る。力は入れ 過ぎない!
コバの表面がベタベタしなくなったらオッケーの合図。
これを少し艶が出るまで何度か繰り返す。
4 > 新しい綿棒に水を吸わせ、コバに水を薄く塗り 3 と同じ工程をする。
◦ポイント : 表面を軽く濡らす感じで沢山水を塗らない。
はみ出た部分は直ぐにふき取り、磨く時に極力触らないようにする。
水を塗ったら待たずに直ぐに綿生地で素早く擦り磨く。
回数は2回ぐらいまでにする。
5 > もう一度磨いたコバを綿生地の乾いた部分で全体的に磨き、コバをチェックする。
6 > 完成!!
いかがだったでしょうか?
写真の財布一個を全体丁寧に磨いて、一時間かかりませんでした。
やってみよう!と思う方は、今お使いになっていない革製品で試してみてもいいと思います。
最後までお読み頂き有難うございました。
和歌山県和歌山市で活動しているLEATHER FACTORY THESEUS(テセウス)では、ハンドメイドレザークラフトにプライドとこだわりをもって、私一人ですべての工程を行い革製品製作しております。
主に財布や小銭入れ、ベルトなど受注生産しています。
セミオーダーやフルオーダーもご相談お受けいたします。
ご質問やご相談、製作依頼などお気軽にお問合せくださいませ。
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