革製品の完全ハンドメイド製作手順をTHESEUS流ご紹介 続き
2003・08・07
最近以上気象で全国に甚大な被害がでていますね。私もですが、皆さんも事前に備えなどし、お気を付け下さい。
さて今回は前回の続きのお話です。
前回は、荒裁断し前準備までお話しました。
THESEUSでは製作において、ここまでの工程を非常に重要視しています。
製作の5割を占めている!といってもいいぐらいです。
そして、この5割を生かすも殺すもこれからの工程にかかっています。
3.本裁断
荒裁断した革に、型紙を丁寧にトレースし本裁断していきます。
私はレザークラフトを始めた時、教えて頂ける方もおらず、ネット環境もなかったなどから独学で始めました。ですので、長らくカッターナイフで切り出していました。
現在は、革包丁とカッターナイフを適材適所で使いわけています。
ちなみにカッターはそのまま使っていません。刃を安定させる為にすこし改造しています。
本裁断で重要なのは、トレースから如何に正確に切り出せるのかと、切った断面が垂直である事です。
垂直に切り出さないと、後の工程で張り合わせた断面が揃わず、コバ磨きなどが大変になります。
この本裁断で、後の工程の手間や製作時間がかなり違ってきます。
切り出した後も、もう一度繊維の詰まり具合やハリ、使うパーツ部分に適しているか確認します。
4.組み立て
ここからは、組み立て手順にしたがって、縫い穴あけ、張り合わせ、縫い作業、コバ磨きなどを行いながら形にしていきます。
縫い穴あけは、私は独学の頃菱目打ち(ホークのような形の工具で叩き込んで菱形の縫い穴をあける物)を使用していた為、基本は菱目打ちですが、こちらも適材適所で菱ギリも使用します。
張り合わせ部分は、後でコバ磨き(革の断面)をする事が多い為、如何にズレなく張り合わせるか!が重要です。
切り出しも正確に出来ていなければ、張り合わせで綺麗にいかず苦労します。
無理やり張り合わせた場合、完成品が歪んだりします。
縫い作業はスピードを意識していますが、表側だけでなく完成しても見えない裏側も綺麗な事を意識しています。
縫い目の綺麗さは縫い穴あけでほぼ決まってしまいます。
場所によっての糸の締め具合はとても重要です!のちの耐久性に大きく関わってきます。
この糸の締め具合は人の感覚の為、経験と熟練度が必要だと思います。
コバ磨きは、テセウスのこだわりどこです。
まず、正確な切り出しと正確な張り合わせがあってコバ磨きが出来ます。
これが出来ていないと、コバ磨きではなくコバ削りになってしまいます。
テセウスはコバに艶が出るまで磨きます。
そこまでする必要があるのか?と聞かれることもあります。確かにそうだと思います。
半分は自己満足です。ですがこのコバを見たお客様が、綺麗!と喜んで頂けます。これが私のモチベーションにもなりますし、お客様が笑顔になって頂ける事が大切だと思っています。
耐久性もゼロではないと思いますし、経年変化のしかたにも少しは違いがあると思います。
ですがやっぱりお客様の喜びの笑顔が一番です!
ハンドメイドで製作する理由は、私は【みんなの笑顔】です。
ハンドメイド作家さん一人一人にこだわっている部分があると思います。それが私はコバ磨きというだけです。
5.確認
すべての製作工程が終わり完成したら、磨き掃除しながらすべての部分を確認して完成です。
いかがだったでしょうか?
これはあくまで私テセウスの製作の仕方や手順です。
まだまだ修行の身です。頭を固くせず、これからも精進していきます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
和歌山県和歌山市で活動しているLEATHER FACTORY THESEUS(テセウス)では、ハンドメイドレザークラフトにプライドとこだわりをもって、私一人ですべての工程を行い革製品製作しております。
主に財布や小銭入れ、ベルトなど受注生産しています。
セミオーダーやフルオーダーもご相談お受けいたします。
ご質問やご相談、製作依頼などお気軽にお問合せくださいませ。
おしゃべり大好きなので雑談もオッケーですよ!お待ちしています!
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