革製品の完全ハンドメイド製作手順をTHESEUS流ご紹介 その1
2023・07・29
本格的な夏が来ましたが、今年は異常に暑い気がします。
私はこの間、大事には至りませんでしたが熱中症になってしまいました。
皆さんもご注意下さい!
さて今回は、【革製品のハンドメイド】の製作手順をお話したいと思います。
ハンドメイドといっても、色々な分け方があると思うのですが、今回は私THESEUSが行っている機械を一切使用しない完全ハンドメイドをご紹介したいと思います。
1. 型紙製作
まずは頭の中にあるデザインを具体化します。そのデザインを元に大きさを決めます。
テセウスの場合、大きさを決めるのに例えば財布なら中に入る物の大きさを考え、そしてステッチ(縫い目)幅を計算して大きさがきまります。
何故ステッチまで考えるのか?
テセウスは4ミリのピッチで縫っているのですが、ピッチの事を考えておかないと最後の縫い目が大きくなったり小さくなったりします。それを少し前の縫い目から考慮して辻褄を合わせていくのですが、テセウスではいつも同じ品質を少しでたもつ為に、最初から最後まで均一な縫い目になるように型紙の大きさを決めています。
ですので、辻褄を合わす必要がありません。
型紙の製作には、小学生の頃などに使った厚い方眼紙を使います。ですが、厳密に測ると方眼には少しズレがあるので、あくまで参考でキッチリ測ります。
何故方眼紙なのか?
普通の厚紙より強く、そしてホームセンターなどで手軽に手に入るからです。
強くてはならない理由は、その型紙を使い同じ物を何度も製作する時に少しでも傷みが少なく精度をたもつ為です。
テセウスでは他にも、方眼紙を2枚張り合わせたりアクリル板などを張り合わせたりして強度を上げている物もあります。
同じ型紙を3回ぐらい作ります。
修正と制度を上げる為です。
この型紙から革にトレースする訳ですから、【私は型紙の精度】はとても重要だと思っています。
厳密にいうと、型紙から革にトレースするとコンマの世界でズレは出ていると思います。そのトレースした物を正確に切り出していくのですが、これもコンマの世界でズレが出ていると思います。
目で見てもわからない事ですが、細かなズレの重なりがのちに大きなズレになる恐れもあります。
こういう考えから、スタートの型紙は私の中で限界まで精度を上げています。
型紙を切り出したら、完成品を思い浮かべながら各箇所の計算や寸法などがあっているか確認し、型紙は完成です。
2. 革の荒裁断と前準備
各パーツを型紙の大きさよりも一回り大きく革を切り出します。
この時、革の傷やシワ、ハリ、革の伸び方向などを確認しながら切り出します。
すべての傷やシワを避けて綺麗な部分だけを使うわけではありません。
これは本革のいい所でもあります!傷やシワのもっていきようによっては味のある一点物です。品質に問題ない部分は、完成を想像しながらそういった部分を使うからこそ本革の魅力と考えています。
荒裁断が終われば、テセウスではオリジナルオイル・ワックスを極力薄く塗って磨きながらもう一度革の状態を確認します。
前準備として床面(革の裏側)の毛羽立ちを押さえる部分は、専用の液体を塗って磨きます。
テセウスでは、液体を塗って毛羽立ちをサッと押さえるだけでなく、艶が出るまで磨きます。そうする事で使っていても長く毛羽立ちを押さえる事ができます。
そして液体は水分もある為、革が縮みます。このまま本裁断すると後で縮む恐れがある為、1日乾燥させます。
革と革をベタ張り(大きな革を張り合わせる)する物は、張った後オリジナル専用プレス機で1日プレスしておきます。
詳細にお話していると長くなりました。
次の工程からは次回お話させて下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
和歌山県和歌山市で活動しているLEATHER FACTORY THESEUS(テセウス)では、ハンドメイドレザークラフトにプライドとこだわりをもって、私一人ですべての工程を行い革製品製作しております。
主に財布や小銭入れ、ベルトなど受注生産しています。
セミオーダーやフルオーダーもご相談お受けいたします。
ご質問やご相談、製作依頼などお気軽にお問合せくださいませ。
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