レザークラフト工具を自作する事で新たな技術・デザインを実現する
2023・07・01
ハンドメイドレザークラフトにおいて、ハンドツールはとても大切な存在です。
ハンドツールにこだわっている職人さんも多いと思います。
そこで今回は、私なりのハンドツールのこだわりや考えをお話したいと思います。
まずハンドツールと言いますと、今回は機械的な物ではなく皆さんが使われるプラスドライバーのような物と思って下さい。その中で、レザークラフトに特化した工具を私なりの考えや経験を記事にしたいと思います。
私がレザークラフトを始めた頃に比べると、今は色々便利な工具や見た目がかっこいい工具が沢山あります。
基本工具が同じでも進化した物、痒い所に手が届く工具まで様々です。私もたまに「よく考えてあるなぁ!」と感心したりします。
新しい工具が生まれていく中で、それでも昔から変わらず使う工具というのは必ずあります。
例えば革を裁断する革包丁。昔から今も使われる工具ですが、今は様々な種類があります。
◆刃の鋼材が違う
◆刃の形状が違う
◆柄の材質が違う
など
私は昔ながらのオーソドックスな物を使っています。
その中で、ある時ふっと気になりました。
[みんな手の大きさはそれぞれなのに柄の太さは同じだなぁ?]と。
そのまま使って慣れる事も出来ます。ですが、刃を研いでの切れ味や研ぎ角度はみんなそれぞれです。
一日の長い時間、そして長い期間使う大切な工具です。そして、自分の身体の一部の様に使えるのが理想ではないか?と私は思いました。
私は男にしてはかなり手が小さい方です。一度、自分の握り方や大きさに合わせて柄の面を丸く削り、手触りもよくなるように磨いてみました。
ただこれだけで手に馴染み使いやすくなりストレスなく使えるようになりました。
私はこの時思いました。
【自分好みに加工する事で工具が身体の一部となる!】です。
確かに高い工具は精度も良く直ぐに使えます。でも自分好みに加工するならもったいない物です。
かっこいい工具も好きですが、私の身体の一部のように使えることが1番で、その事が製作する物に反映される事が重要だと思っています。
オリジナル工具を作る
私は見た目だけの為にデザインはせず、使い勝手や耐久性を考えてデザインしています。
たまにこうしたいのにと思っても出来ない事があります。
その場合は、自分で専用のオリジナル工具を作ります。
クオリティを上げる時もオリジナル工具を作ります。
オリジナル工具を作る事によって、THESEUSの商品のオリジナル性が増していると思っています。
〈ここをこうできたらなぁ〉と思っている時は、ホームセンターや100均などに行って、〈これを加工して作れないか?〉や、色々な業種の職人さんの作業を見て、〈これをレザークラフトにいかせないか?〉など、いつも意識するようにしています。
そのかいあって販売に至った工具もあります。
木ベラ
これはコバを磨いたり、製作したカードポケットを整えたりするのに使います。
Rカット打ち
今では当たり前ですが、20年くらい前に金属切削の仕事をしていた時に削り出しで作りました。
まだまだ作った工具はありますが、これらのオリジナル工具によって今のTHESEUSがあります。
使えないような物や使わなくなった物、10個考えて9個ぐらいありますが、でも残りの工具はかけがいの無い物です。
【これを作る為にこれを作る】
これが物作りの原点のように私は思います。
工具を作る人がいて、使う人を見てさらに進化する!
こうして今の物作りがあるのだろうと思うと、感慨深いです。
私も一気にはいかなくても一歩ずつ進化できるよう努力を積み重ねたいと思います。
今回は、工具について私の経験からの考えです。もっといい考えのお持ちの方もおられると思いますので、私も視野を広く色々な方の意見を参考に、これからもレザークラフトを続けていきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
和歌山県和歌山市で活動しているLEATHER FACTORY THESEUS(テセウス)では、ハンドメイドレザークラフトにプライドとこだわりをもって、私一人ですべての工程を行い革製品製作しております。
主に財布や小銭入れ、ベルトなど受注生産しています。
セミオーダーやフルオーダーもご相談お受けいたします。
ご質問やご相談、製作依頼などお気軽にお問合せくださいませ。
おしゃべり大好きなので雑談もオッケーですよ!お待ちしています!
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